研究内容

ウイルス由来β-Annulusペプチドの自己集合による人工ウイルスキャプシド

2010年に私達は、トマトブッシースタントウイルスの骨格構造かかわるβ-Annulusモチーフペプチド(INHVGGTGGAIMAPVAVTRQLVGS) が水中で自己集合することにより、約30-50 nmの「人工ウイルスキャプシド」を形成することを見出しました。小角X線散乱により、このペプチド集合体は中空構造であることが、ζ-電位のpH依存性からペプチドのC末端が外側に、N末端が内側に配向していることがわかっています。このペプチドのN末端修飾により人工ウイルスキャプシドへのタンパク質・核酸・ナノ粒子の内包が可能となり、ドラッグキャリヤーなどの応用が期待できます。また、C末端修飾により、様々な機能性分子で修飾した人工ウイルスキャプシドを創製することができ、合成ワクチンなどとしての応用が期待されます。


研究紹介漫画

日刊工業新聞『キラリ研究開発』


 2013年11月4日掲載(前編)   2013年11月18日掲載(後編)


著者:はやのん理系漫画制作室 https://www.hayanon.jp/


発表論文

  • Angew. Chem. Int. Ed., 49, 9662-9665 (2010). 西日本新聞、産経新聞、日経産業新聞、Nature JapanJobs (Web)「特集記事」に掲載
  • Polymer J., 45, 529-534 (2013).
  • Nanomaterials, 4, 778-791 (2014).
  • Polymer J., 47, 146-151 (2015).
  • Org. Biomol. Chem., 14, 7869-7874 (2016).
  • Chem. Lett., 45, 922-924 (2016).
  • Org. Biomol. Chem., 15, 5070-5077 (2017). 
  • J. Pept. Sci., 23, 636-643 (2017).
  • Chem. Commun., 54, 8944-8959 (2018). Feature Article
  • Bioconjug. Chem., 30, 1636-1641 (2019).
  • Chem. Lett., 48, 544-546 (2019).
  • Appl. Sci., 10, 8004 (2020).
  • J. Org. Chem., 85, 1668-1673 (2020). 
  • Bioconjug. Chem., 33, 311-320 (2022).
  • ChemBioChem, 23, e202200220 (2022).
  • Chem. Lett., 51, 1087-1090 (2022).
  • J. Mater. Chem. B, 11, 6053–6059 (2023). Back Cover